
新規取引先の反社チェックをはじめとするコンプライアンスチェックや、役員のバックグラウンド調査において、過去の新聞報道記事の照会は不可欠なプロセスです。しかし、多くの法務・コンプライアンス担当者の方から以下のような課題が寄せられます。
- 「同姓同名のヒット数が多すぎて、確認作業が終わらない」
- 「ありふれた、いわゆる平凡な氏名を検索すると何千件もヒットし、目視のノイズ選別で業務がパンクしてしまう」
- 「検索キーの工夫を行っても、関係のない別人の記事や、同姓同名の記者の署名記事に埋もれてしまい、見落としが懸念される」
25年超にわたりコンプライアンス調査を手掛けてきたディー・クエストでは、膨大な情報から調査対象の情報を抽出する検索技術・ノウハウを蓄積してきました。
本記事では、コンプライアンスチェックの実務で即座に活用できる「一般氏名におけるノイズ削減テクニック」と「同姓同名の記者署名を少なくする検索式ノウハウ」を具体的に解説します。
件数が膨大になる一般的な氏名
山田太郎、佐藤一郎、田中実……このような一般的な氏名の人物を調査対象とする場合、氏名だけの単純な検索では、検索媒体数や期間にもよりますが、数千、数万件という記事が抽出され、手動での確認は事実上不可能です。
ここでは「鈴木博」という氏名を例に、段階的にノイズを除去しながら、目的であるネガティブ情報が記載された記事に絞り込んでいきたいと思います(なお、氏名および検索結果数等はあくまでも例です)。
例:「鈴木博」の絞り込み手法
ステップ 1
氏名のみによる全体件数の確認
まずは調査対象者の「氏名のみ」で検索を実行します。
検索ワード: 鈴木博
検索結果数: 13,478件ヒット
この段階では、媒体ごとのヒット件数を見て、特定の新聞社のみに極端に件数が偏っていないか確認します。
特定の媒体に極端な偏りが見られない場合、後述する「執筆した記者と同姓同名である可能性」は低いと推測できます。
ステップ 2
「逮捕」キーワードの付与と潜在ノイズの発生
次に、リスク情報を特定するため「逮捕」などのネガティブキーワードを掛け合わせます。
検索ワード: 鈴木博 AND 逮捕
検索結果数: 478件ヒット
一見するとヒット件数が大幅に絞り込まれたように見えますが、ここに落とし穴が存在します。
この478件の中には「鈴木博文」や「鈴木博史」など、名前が「博」で始まる鈴木姓の別人の記事が多く含まれている可能性が高いためです。
AND検索の仕様上、氏名の文字列の後方に別の漢字が続く人物まで拾い上げてしまい、依然としてノイズが多く残る状態となります。
ステップ 3
「氏名+容疑者」のノースペース結合検索
次に、ノイズを劇的に削減するため、以下のように検索ワードを設定します。
検索ワード: 鈴木博容疑者 (※「鈴木博」と「容疑者」の間にスペースを入れない) 検索結果数: 52件ヒット
解説とポイント
新聞記事において、逮捕報道の約90%以上には「〜容疑者」という表記が含まれます。 ここで極めて重要なのが、氏名と「容疑者」の間にスペースを入れずに結合して検索することです。
スペースを挟んでしまうと、ステップ2のように「鈴木博文」など別人の氏名と「容疑者」を含む記事がすべてヒットしてしまいます。結合させることで「鈴木博容疑者」という完全一致の文字列のみを正確に抽出することが可能となるのです。
それでも残る実務における課題
今回ご紹介したテクニックは、コンプライアンスチェックにおいて新聞記事検索を活用するうえで、初歩の初歩と言えるものに過ぎません。
ただ、このテクニックを知っているのと知らないのとでは、コンプライアンスチェックの業務効率は大きく変わることでしょう。
当社ディー・クエストが長年の調査実務で培ってきたノウハウはまだまだありますので、それらについては今後、機会を改めてご紹介していきたいと思います。
とはいえ、自社の取引先・関与先を全体的にモニタリングするなど、調査対象数が多くなった場合、社内で対象先を1社1社、さらには役員1人1人を手作業で新聞記事検索していくことには当然ながら、多大な手間暇がかかることになります。
また、仮にヒット件数を絞り込んだとしても、それが本当に本人なのか、あるいは別人なのかを判別することは実は容易なことではありません。
いずれにせよ、社内だけでコンプアライアンスチェックを完結させるには、どうしても課題や限界が発生してしまいます。
コンプアライアンスチェックの実施において、負担や不安をお感じになる際は、ぜひとも当社へご相談ください。
ディー・クエストが提供する支援の特徴
自社での手動確認作業に課題を感じた際、自動検索ツールやデータベースのみを提供するサービスの導入を検討することもあるでしょう。
しかし、検索結果の精査や最終判断の手間が社内に残ってしまうことが往々にして起こり得るのが実情です。
当社ディー・クエストでは、ご担当者様の確認作業の手間を削減し、適切なリスク管理体制を構築するために4つの特徴を備えています。
ディー・クエストの主な特徴
① 専門調査員の目視精査によるノイズ情報の整理
他社の自動検索ツールとの決定的な違いは、検索結果をそのままお客様へ丸投げしない点にあります。
AI(人工知能)やツールによる機械的な検索では、同姓同名の別人や無関係な記事など、大量の「ノイズ情報」が抽出されてしまい、最終的な選別作業はお客様側に委ねられてしまいます。
ディー・クエストでは、抽出されたデータに対して専門の調査員が1件ずつ目視精査を行い、無関係なノイズ情報の除去を事前に行った上でご報告します。
お客様側で膨大な情報を確認・判別する手間が一切かからず、業務負担を大幅に削減することが可能です。
② 基本的な反社チェックから深掘り調査・海外調査まで幅広いサービス展開
一般的なITベンダーの反社チェックシステムは「日常的な簡易検索はできても、懸念案件が発生した際の深掘り調査や海外企業の確認に対応できない」という限界があります。
ディー・クエストでは、日々の基本的な反社チェックにとどまらず、懸念案件に対する訴訟歴・破産歴等の詳細確認や、専門調査部による「深掘り調査(バックグラウンドチェック)」、さらには国境を跨ぐ「海外調査」まで幅広く対応しています。
取引先のリスクレベルや状況に応じた柔軟な調査を、当社1社で完結してご依頼いただくことが可能です。
③ 複数の部署で横断管理が可能「全社的な運用・一元管理のしやすさ」
営業部、購買部、総務部、法務部など、部署ごとに反社チェックを実施する場合でも、社内での一元管理や運用ルールの統一が容易に行えます。
担当部署ごとの利用状況や調査履歴を可視化・集約できるため、部署間での重複調査による無駄なコストを防止しつつ、全社的なコンプライアンス水準の平準化と管理工数の削減を同時に実現します。
④ 売り切りではない、貴社の体制に合わせた「伴走型コンプライアンス支援」
システムのアカウントを渡して終了する売り切り型のビジネスモデルとは異なり、お客様ごとのコンプライアンス運用に深く寄り添います。
数千件規模の大量一括調査(バルク調査)の計画策定から、調査したい対象に応じた、調査条件のカスタマイズ、報告書の運用方法のご案内まで、個別事情に応じた柔軟な運用構築を支援いたします。
ディー・クエスト コンプライアンス調査事業部
「ヒューマンリスクマネジメント」に特化したコンサルティングファーム、ディー・クエストにおいて2000年より企業調査事業を展開。高度なコンプライアンス経営を求められる企業・団体に対して、リスクの外部要因対策となるコンプライアンスチェックを提供している。日常・定期的な取引先チェックから深く掘り下げた詳細調査、海外調査まで、顧客ニーズに応じてワンストップでサポート。2025年からはサービスを「riskeyシリーズ」に統合、コンプライアンス経営支援をさらに強化している。
